とても良かったです。
お母さんと新しい関係を構築できるかも、というところで終わっても充分だったのにそこから仲村さんが大人としてダミアンくんのために頑張る話に続くの良いな。
母親とこじれてた娘は特撮ファンでもあるし社会の中のひとりの大人でもある。
終盤の、仲村さんがなんとかダミアンに特撮の良さとか価値を伝えようとして、そして自分自身も作品に応えようとするくだりは泣けた。
私は特撮ファンではないけど……普遍的な「大人」の話でありファンの話だった。思うように進められることは少ないけどその現場でどうにか作品を作り出しているひとたちに想いを寄せて、応援する。自分が励まされたから。そういう心ばえについての話だ。
特撮ファンとして番組を受け取る側の気持ちと漫画家として作品を送り出す側の視点の両方があるこの作者だからこそ描けた「熱」を感じました。丁寧に盛り上げていて感動的。
物語を「本物」と受け取って楽しむのは一番素直で美しい鑑賞スタイルだと思う。でもその背後に作ってる人たちがいることを大人は当然知っている。大人はモアベターを目指して頑張らなきゃいけないし実際頑張ってる。
仲村さんの同僚のひとが言うみたいに「作る側の事情は見るほうには関係ない」のも間違ってはないけど…。
物語と視聴者・読者は別々の世界だけど、それを作ってる人たちは同じ現実に存在してるんだから。どういう工夫でこのシーンを作ったのか、とか興味あるほうが味わえるものは豊かになるような気がします。
アニメは少し見るんですけどあれも現実の人間が労働して作ってるものだと思うとわけわからんくらいすごいよねえ。
そのわけわからなさをほぐして質問してくれる人がいて製作サイドが語ってくれて読ませてもらえるのは思えば貴重な機会だなあ。アニメスタイルとか面白いもん。
余談ですがガガガの中で作者が主人公を「仲村」と呼んでるのなんか好きでした。あと架空の特撮のヒーロースーツがいつもカッコよくて、ああこの人はカッコいいと思って描いてるなって伝わってきて良かった。
【雑談】
六道の悪女たちアニメ化!おめでとうございます!
完結2年経ってから無料で読めるの何か動きがあるからかなとはちょっと思ったけど期待して裏切られるの寂しいから考えないようにしてた〜、やった〜〜〜。
告知イラストのキャラデザもいい感じ!
じゃあもしかしてトクサツガガガもドラマ続編があるのかも??